UM法(ユーエム・ほう)
UM法(ユーエム・ほう)とは、ウェブサイトをシンプルかつ柔軟に構築、運用するための設計原則のことです。ディレクトリ構造を持つファイルシステムを模した一般的なウェブサイト設計は、その規模の増大に従って「変化に弱い」「構造の一貫性を維持するために意味のないページを作ってしまうなど、サイトデザインが歪になりやすい」といった課題に直面しますが、UM法はそれらを抜本的に解消します。この画期的かつ明瞭な設計原則は、発表から 10 年以上経った今も多くのウェブサイト設計者に参照されています。
UM法をメソッドとしてまとめあげた高橋氏による、その基本コンセプトは以下です。
- Web サイトを、リソース検索エンジンとリソースサーバーがセットになった Web アプリケーションだと考える。
- 全文検索だけでなく、サイトに固有なリソースのメタ情報の形式と内容に密結合したリソース検索エンジンを用意する。
- サイトに必要とされるさまざまな形態での出力をサポートし、データ形式、テンプレートの適用、ページングなどについてのオプションを提供するリソースサーバーを用意する。
- ページとは、リクエストに応じてリソースサーバーが出力したリソースのビューであり、リソースそのものではない。サイトマスターが作成し、管理するのはページではなくリソースであると考える。
- リソースのURIは表示形態やサイトのナビゲーション構造上の位置を表現しない。リソース自体の内容、形式、属性を表現する。
- サイトのナビゲーションは、検索結果とリソースの表示という二階層、二状態間の遷移の組み合わとしてデザインする。
- 従来トップページ、メニューページ、インデックスページと呼ばれてきたページが果たしてきた役割のほとんどは、リソース検索エンジンの検索結果に取って代わられる。検索結果とは別に、サイトやセクションの概要をていねいにガイドしたい場合は、そうした情報をサイトのリソースの一種として用意する。
詳細については以下を参照のこと。
UM法のコンセプトが世界で初めて公開されたブログ記事のコメント欄( 上野氏による投稿 )。 https://chushoww.blogspot.com/2009/08/blog-post.html
投稿されたコメントをもとにそのコンセプトを「UM法」としてまとめた、高橋氏によるブログ記事。
https://chushoww.blogspot.com/2009/08/um-web.html
公式に発表されたコンセプト。
https://www.sociomedia.co.jp/2295
UM法の原型となったウェブサイト。現在もUM法考案者自らの手によって維持、運用されている。
https://www.sociomedia.co.jp